自宅の防犯対策!三種の神器を揃えて泥棒の侵入を防ごう

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ドッ・・・ドロボーッ!!
ご存知の通り、泥棒とは「他人のものを勝手に盗む人」のことですよね。
その昔、盗人は顔に泥を塗って武器として棒を持って犯行に及んでいたことが語源だそうです。
また「押し取り坊」が訛って「トリボウ」から「ドロボウ」になったという説もあります。
どちらにしても、泥棒は招かざる客であることには違いありません。

広義の意味では、通りすがりの人の持ち物を奪い取る「ひったくり」や、人混みで財布などを抜き取る「スリ」なんかも泥棒になりますが、ここでは住居に侵入し金品などを持ち去る「空き巣」や「強盗」などの侵入窃盗にフォーカスを当てていきます。

以前の記事「侵入窃盗(空き巣・強盗)は一軒家を狙う!?何分で諦める!?」でもお伝えした通り、2002年をピークに被害の認知件数は減っていってはいますが、それでも被害は後を絶ちません。
そもそも認知件数なので「盗まれたことにも気付いていない」場合はカウントされていませんから「数年ぶりに隠しておいたヘソクリが無くなってた!」なんてこともあるかもしれません。
また近年では侵入窃盗の手口も、組織化や高度な技術を駆使するなど、巧妙になってきています。

それでは早速、泥棒対策の三種の神器と呼ばれる防犯設備を見ていきましょう。

人感センサー付きライト

人が近くと、それに合わせてピカッと光るライトです。
防犯対策として効果がありますが、これ実は日常生活でも役立つ設備なんです。
夜遅くに帰宅した際に「暗くて鍵穴がわからない!スマホを出して照らして・・・」なんてしなくても済むので、冬の寒い夜なんかは大変助かります。

玄関のみならず、裏口や庭先など人目を忍んで犯行できそうな場所への設置もオススメです。

メリット

  • 泥棒に防犯意識の高さを示す
  • 泥棒が闇夜に隠れることを防ぐに最適
  • LEDなら電気代も安くて長寿命
  • 防犯カメラとセットだと威力増大

デメリット

  • 電源の確保など設置場所に制限がある
  • 近隣住民などに配慮する必要がある
  • 電源ケーブル剥き出しの場合は切断される

メリットは何と言っても泥棒に対して「この家は防犯意識が高い」と思わせることです。
やはり泥棒にとっては、少しでも捕まるリスクを減らしたいため、入り口で「ピカーッ」と光る人感センサー付きのライトに煌々と照らされるのは、良い気分ではありません。
また最近の人感センサー付きライトはLED照明のものが多く、長寿命で省電力なため電気代を心配する必要は昔ほどなくなりました。

デメリットは「設置すればあとは放っておいても大丈夫」というメンテナンスフリーな使用方法だと、知らないうちに電源ケーブルを切断されていたなんて場合もあります。
泥棒は思いつきで犯行先を決める、なんてことは少ないようで、事前に入念な下調べをしてから犯行に及ぶと言われています。常に「きちんと光るかな?」というチェックも必要です。
また設置場所によっては、近隣のお家から苦情がくることも。
センサーの感度が良いものは、野良猫が通過しただけでも反応して光るものもありますので「毎晩不定期にピカピカ光ってて目障り」なんてことになるかもしれません。

一軒家の場合は、新築時に一緒に設置するのが一番良いですが、すでに住まわれている住居に設置する場合はデメリットを回避できるように工夫が必要です。
またマンションやアパート、特に賃貸物件に住んでいる場合は、部屋の中に設置するのも良いかもしれませんね。その場合は「環境の明るさに応じてライトの点灯を制御できる」タイプの人感センサー付きライトを導入することで、就寝中や留守の時のみ動作させることも可能です。

遠隔防犯カメラ・ネットワーク防犯カメラ

IoT(Internet of Things/インターネットに接続できるモノ)の代表格とも言われますが、ネットワークカメラは防犯対策に絶大な効果を発揮します。

従来から防犯カメラというものは街中に点在していて、非常に身近なものですよね。
それが現代では個人向け商品の種類も豊富になり、自宅でも簡単に設置できるようになりました。

メリット

  • 犯罪抑止力としての効果が高い
  • 24時間の監視で記録を残せる
  • いたずらや嫌がらせ防止にも役立つ
  • 犯人逮捕への決定的な証拠にもなる

デメリット

  • 侵入行為自体への防御方法ではない
  • 目隠しされたら効果はない
  • 怪しい商品のセキュリティ問題
  • 人感センサーライトと同じデメリット

メリットは「自宅にいない時でも監視できる」という点です。
ネットワークカメラは、インターネットに接続されている場合、外出先からでもスマートフォンですぐに確認することが可能です。また機種によっては電話のように音声通信も可能なので、安全な遠隔地(外出先や部屋の中など)から音声を発することも可能です。つまり怪しい人が映ってたら「どちらさまですかー?」と威嚇することもできます。

しかし防犯カメラは、侵入行為を直接防ぐためのものではありません。
映画のように「悪者にビームや銃弾を発射できる機能」が付いていれば、防げるかもしれませんが・・・あくまでも「あ、カメラ付いてる。面倒臭いなぁ。」と思わせて、泥棒の戦意を喪失させることが大きな役目です。記録された映像は犯人逮捕での重要な証拠物件にはなりますが、その時にはすでに泥棒に入られた後の話ですからね。

費用や面倒を考えずに一番効果的なのは「はっきりとわかる場所に1つ設置」してから「気付かれない場所にも1つ設置」することです。犯人が1つめの防犯カメラを壊したとしても、2つめのカメラに気付かなければ、しっかりと記録できます。そもそも1つめのカメラにスプレーを吹きかけたり壊したりした瞬間に、器物破損の罪になりますから。しかし2つ3つもカメラを設置したら、カメラだらけの落ち着かないお家になってしまいますよね。導入コストも管理コストも莫大になってしまいます。なので、あくまでも防犯カメラは「犯罪抑止力の強化」と割り切りましょう。

そして、もっとも注意しなければならないのが「信用がおけるメーカー製のネットワークカメラを導入する」ことです。
ネットワークカメラの中にはセキュリティが低いものもあり、実績や信用が低いメーカー製のカメラだと「世界中に自宅の映像を配信する」に等しい状態となってしまいます。
以前、世界中のこういったセキュリティの低いカメラに接続して自由に閲覧できるというウェブサイトが話題になりましたが、日本国内のカメラも相当な数を閲覧することができました。
大半が「パスワードを設定していない、もしくは簡単に見破られるパスワード(1111や1234、passやデフォルトのまま使用しているなど)」という状態のものが多くありましたが、中にはシステムのバグを突いてリモートカメラ自体へのハッキングが行えてしまうという、お粗末な商品も多くありました。
泥棒としては「お、この家、わざわざ張り込まなくても逐一監視できちゃうじゃん」という、まさに敵に塩を送る状態となってしまいます。

そのためネットワーク防犯カメラを導入する際は、よくわからない海外メーカーの安い商品を購入せず、信用のおけるブランドを持っているメーカーのものを吟味して導入しましょう。

窓の防犯対策について

前記の「人感センサー付きライト」と「遠隔防犯カメラ・ネットワーク防犯カメラ」は、あくまでも泥棒に対して「来るなよ、入るなよ」と威嚇することを大きな目的としたものでした。それ自体は侵入行為自体への防御にはなりませんでしたが、この「防犯ガラス・防犯フィルム」は異なります。
いわば「三種の神器、最後の砦」とでも言いましょうか。

警視庁が発表している令和元年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況によると、侵入窃盗の63.4%が「窓からの侵入」と言われています。
「でもガラス窓を割るって、大きな音も出るだろうし、ウチのガラスは厚めだから大丈夫じゃない?」と思われてる方、水まんじゅうに砂糖をかけて食べるより甘いです。窓に使用される程度のガラスを音も小さく簡単に破る方法は多々ありますし、そのための道具も簡単に手に入れられる時代です。
防犯ガラスにすることで、侵入窃盗の63.4%に対して有効な防衛手段となります。

網入りガラスや強化ガラスは役立たず!?

よく賃貸物件の1階の部屋などに施行されているのが「網入りガラス」ですよね。
実は網入りガラスは、もともと防犯用としての用途を想定されておらず、防犯対策としてほぼ効果がないことが公表されています。

網入りガラスに防犯性能を期待してはいけない

じゃあ何で網入りガラスが存在しているの?
実はこの網入りガラスは「防火設備の一種」なのです。
網が入っている理由は「火災などの熱によってガラスが割れても飛散せず、延焼を抑える」ためなので「外部からの侵入を防ぐ」といった防犯性能は求められていません。

また一般的に強化ガラスと言われているガラスも同様に、一般的なガラスよりも多少は防ぐことができるかもしれませんが、強化ガラスと言えども防犯ガラスと銘打っているガラスほどの防犯性能はありません

窓の防犯についての笑えないお話

とある30代の男性が、ついに念願の新築マイホームを建てた際に「うちは防犯ガラスで、施錠もしっかりできる窓だから安心!」と言っていました。半年後、その防犯対策がされていた窓から泥棒が侵入して金品を盗られました。
なぜでしょう?防犯ガラスで施錠もしっかりできる窓だったのに。
理由は簡単です。鍵がかかってなかったんです。嘘でしょ?と思ってしまう理由ですが、いくら防犯ガラスにしても、強固な施錠ができる鍵を取り付けても、鍵をかけていなければ効果はゼロですよね。
日頃から防犯意識をしっかりと持つことも重要だと思わせてもらえるお話です。

ちなみに窓枠ごと外して侵入するケースもあったり、海外では「車で突っ込んで窓ごと壊して侵入する」なんて手口もあるようです。これは極論としても、防犯に絶対はありませんが、防犯性能を高めることは非常に重要なことです。

防犯ガラス

窓の防犯対策としてもっとも効果が高いとされているのが防犯ガラスです。
そんじょそこらの道具を使って即座に割って鍵を開けて侵入、なんて簡単には行えなくするのが、この防犯ガラスです。

引用:日本板硝子株式会社

防犯硝子の特徴は、防犯性能の高い膜を挟み込んでいる点です。網入り硝子の網の代わりに、破られにくいシートが挟まっているイメージですね。
これにより、ガラスを破壊しようとしても防御することが可能になっています。
またこの防犯ガラスは割れてもガラスが飛散しにくくなるので、地震などの災害対策にも効果絶大です。

メリット

  • 窓の防犯に対する絶大な効果と実績
  • 耐久年数は20年以上
  • 地震対策にも効果が高い
  • 99%の紫外線カットにも期待

デメリット

  • 費用が高い
  • 賃貸物件等では施行が難しい
  • 取り付けまでに時間を要する

意外なメリットとして、防犯ガラスに使用されるPVB(ポリビニルブラチール)という特殊なフィルムには、紫外線を99%カットするという効果があります。また耐久年数も20年以上、なかには50年とうたっている商品もありますので、おおよそ1度取り付ければ長期間にわたって防犯性能を維持できます。

しかし費用が高い・・・家の窓をすべて防犯ガラスに置き換えるのは、かなりの出費になりそうです。
自宅を新築する際に、業者さんへ「窓は防犯ガラスにしたい」と言うのが一番効率が良いでしょう。
また「ここの窓は侵入されやすい」という窓をピンポイントに絞って、防犯ガラスにするのも良いと思います。

防犯フィルム

さすがに防犯ガラスは敷居が高いなぁ、しかもウチは賃貸だし・・・という方には、防犯フィルムがオススメです。窓の形状や種類にもよりますが、すでに取り付けてあるガラス窓に施行することができます。ちなみに防犯フィルムはガラス窓の「内側」に貼りましょう。

メリット

  • 防犯ガラスよりも安価に施行できる
  • 災害時にはブチ破って避難ができる
  • マジックミラー効果や紫外線遮断などの機能がついたものもある

デメリット

  • 素人の施行では効果が小さい場合もある
  • 防犯性能の低いフィルムも存在する
  • 防犯ガラスよりも耐久年数が短い

おおよそ防犯フィルムの耐久年数は10年程度と言われています。
またフィルムの貼られていない外側からの衝撃には強いですが、貼ってある内側からの衝撃には弱いため、もし火災や震災などが発生した場合、最悪ブチ破って避難することができます。

防犯フィルムは「CPマーク」が付与されていることが重要

このCPマークというのは、様々な侵入攻撃に対して5分以上耐えることができるかどうかを試験をして、その試験をクリアしたものだけに使用が許されているマークです。ちなみに私たち一般市民が簡単に買える市販品ではありませんので、CPマークが付与された防犯フィルムを取り付けたい場合は、専門の施工業者さんへ依頼することになります。
フィルムを貼る場合も、しっかりと施行しないと全く効果が発揮されませんので、可能であれば専門の施工業者さんへ依頼するようにしましょう。

市販品を買って自分自身で施行することも、決して悪いことではありません。
防犯対策されていないガラス窓そのままよりも、確実に防犯性能は上がりますし、何よりも安価に施行できますのでDIYが好きな方には、是非オススメします。
しかし、やはり防犯ガラスやCPマーク付きの業者さんが施行する防犯フィルムよりは防犯性能が落ちますので、気休め程度に考えて、他の防犯対策と併用して防犯対策を充実させましょう。

ちなみに「窓ガラスの鍵の付近にのみ防犯フィルムを貼る」という対策は、まったく効果が無いどころか、むしろ逆効果です。泥棒に「ここにしかフィルム貼ってないよ」と教えるようなものです。

「目隠し効果」や「紫外線対策」も可能な防犯シートもある

天気の良い日はカーテンを開けて、明るい日差しを室内に取り入れたいですよね。

外からは丸見えになりますが・・・

そんな悩みを解消するのが「マジックミラー効果」のある防犯フィルムです。
マジックミラーは、表は鏡のように反射して、裏は透き通ってみえる鏡です。
それと同じ効果が施された防犯シートを窓に貼れば、外から室内を覗き見られる心配は少なくなります
また紫外線を遮断する効果がある防犯シートを使用すれば、お肌や家具の日焼け対策の効果も期待できて一石二鳥ですね!

(引用:Amazon)

三種の神器は最低限と心得よう

ここで紹介した「人感センサー付きライト」「遠隔防犯カメラ・ネットワーク防犯カメラ」「防犯ガラス・防犯フィルム」を三種の神器と銘打ちましたが、もちろん「この3つさえ準備すれば大丈夫」というわけではありません。
しかし多くの自宅の防犯対策として、今回ピックアップした3つの方法は特に効果が高いといわれています。
泥棒に入られる前に、まずは入らせない。泥棒に「この家は入れそう」と思わせないための施策が重要です。
さまざまな防犯対策と組み合わせて、より効果の高い防犯対策を行なっていきましょう。

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