急いで避難しなきゃ!ところがどっこい防災リュックが無い場合の最低限な持ち物

事故・災害対策

みなさん「非常持ち出し袋」は常備していますか?
「非常持ち出し袋」とは、避難する際に必要な備品や道具をあらかじめ詰めておく袋のことです。(防災リュック・防災セット・非常袋・避難セットとも言われます)

もし常備していなくても、台風など事前に襲来が予測できる災害なら、数日から数時間かけて非常持ち出し袋を準備することはできるかもしれませんね。
しかし地震や津波などの突発的災害や火災など、一刻も早く避難しなければならない時に、そんな猶予はありません。

また自宅ではなく、会社や旅行先で被災する場合もあります。
非常持ち出し袋を常に携帯して外出するのも、いささか現実的ではありませんよね。

そこで、緊急避難が必要となった場合の最低限な持ち物を想定してみましょう。

避難までに猶予がない場合(即時避難)

あなた自身の「命」を守ることが最優先です。

持ち出し品(避難時に手の届く範囲にあれば)
  • クッションや厚手のコートなど

おそらく即時避難が必要という状況は「火災が発生して火が回ってきている場合」や「地震などで建物が崩壊しかけている場合」また「気付いたら時すでに遅し」といった状況でしょう。

その状況では、もし非常用持ち出し袋を常備していても、保管場所によっては持ち出すことができないかもしれません。
まずはそこから即座に逃げる必要があります。
その時、もし避難する際にクッションや厚手のコートなどが目についたら、一緒に掴んで持ち出しましょう。

  • なによりも生き延びることが最優先
  • 避難時の落下物などから頭を守る
  • 火災時に有毒な煙を吸わないためのマスク代わりに使用する
  • 避難後に座布団や防寒具として使用し体力消耗を抑える

クッションや厚手のコートなどは避難する際の安全を守るために代用ができます。

また「銀行の通帳とか、クレジットカードとか、あぁクローゼットに隠しておいたお金とアクセサリーも!」と思って留まってしまう方もいるかもしれませんが、潔くあきらめましょう。
銀行の通帳やクレジットカードは再発行できますし、お金やアクセサリーなども、あなたが生きていてこその物です。それを守るために死んでしまっては本末転倒です。

目安1分未満で避難する場合

避難後も「生きる」ことが優先です。

持ち出し品(代用がきかないもの・避難後に即座な入手が困難なもの)
  • クッションや厚手のコートなど
  • 命に関わる常備薬、メガネ、コンタクトレンズなど視覚に関わる必需品など
  • 依存しているもので持ち出せるもの1つ

非常時の1分間は、平時とは比べ物にならないほど想像以上に一瞬で過ぎ去ります。
そのため、避難時には安全を確保するものと共に、代用がきかないもの避難後に即座な入手が困難なものを最優先に持ち出しましょう。

何かしらの持病をお持ちの方は、常備薬がなければ無事に避難したとしても命に関わります。
視力が良くない方(裸眼で日常生活が困難な方)は、メガネやコンタクトレンズがなければ避難後の活動に大きく支障をきたします。

そういった重要なものは決まった場所で保管して「あれ?どこいったっけ?」とはならないように、最短で持ち出せるように日頃から管理しましょう。

また「依存しているもので持ち出せるもの1つ」は、ピンとこないかもしれません。
これは、例えば「亡くなった家族の唯一の写真」など、日常で心の支えになっている物品を指します。
避難後は不安や恐れから、情緒不安定になる場合があります。また火災などで全て消失してしまった場合、喪失感から鬱やPTSD(心的外傷後ストレス障害)になる恐れもあります。その時に、あなたの心の支えになるものが1つでもあれば、落ち着くことができるかもしれません。
もちろん「そんなものは無いなぁ」という方は、この項目は無視してください。

  • 避難後に「生命に関わるもの」があれば最優先に持ち出す
  • 避難後に「生活に支障をきたすものの最低限」を優先的に持ち出す
  • 身体の健康とともに、精神的なケアも考慮する

目安3分未満で避難する場合

安全に避難できることが優先です。

持ち出し品(安全に避難できる範囲に限定する)
  • 防寒具(冬場の場合)、頭を守るもの(ヘルメット・クッション・雑誌など)
  • 命に関わる常備薬、メガネ、コンタクトレンズなど視覚に関わる必需品など
  • 依存しているもので持ち出せるもの1つ
  • 保険証、運転免許証などの身分証明書、財布(お金)
  • 飲み水や無調理で食べられる少量の食料
  • 生理用品や育児用品など

そろそろ片手では持ちきれない量になってきました。
避難する際に、両手がふさがっているのは致命的です。
服のポケットに全て入れてしまうか、まとめられる袋があるなら全て放り込んで、可能な限り避難の妨げにならないようにしましょう。(袋が見当たらない場合は、服やタオル等で包むのも良いですね)

この項目から「保険証、運転免許証などの身分証明書」「財布(お金)」「飲み水や無調理で食べられる少量の食料」が増えました。避難後に医療サービスや公的支援を受ける場合でも、身分証明証があったほうがスムーズです。また万が一、もし避難中に事故などに遭遇しても、あなたの身元をすぐに確認することもできます。物品の購入が必要になる場合もありますので、少しはお金もあった方が良いでしょう。自販機が稼働していれば飲料水を確保することもできます。
また避難後に「水や食料」が確保できる確証がないこともありますので、もし持ち出す余裕があるなら一緒に持ち出しましょう。特に夏場は脱水症状にならないよう注意しましょう

  • 可能な限り荷物で両手を塞がないようにする
  • 夏場は水分補給、冬場は防寒対策を意識する

平時から避難対策をしておこう

おそらく「それだけしか持っていけないの!?」と驚いた方もいるかもしれません。
有事の際はパニックに陥り、平時のように冷静な判断ができなくなる可能性が高くなります。
あれも、これも、それも必要だし・・・と考えている間に、避難が遅れてしまい手遅れになってしまいます。そのため日毎から、必要物資は「非常持ち出し袋」にまとめておいて、すぐに持ち出せるように準備しておくことが重要です。あらかじめまとめておけば、有事の際にそれらを探してまとめる時間を省くことができますので、そのぶん余裕をもって安全に避難することができます。

旅先などの外出先では「これだけあれば何とかなる」というものを常に意識しておきましょう。
たとえば、お財布ですね。あとは全て破棄しても何とかなると割り切るのも必要です。

避難を余儀無くされることなんて、もしかしたら一生に一度もないかもしれません。
しかし備えあれば憂いなし、平時での準備が有事での生死をわけます。
辛く悲しい思いをしないためにも、まずは「非常持ち出し袋」の準備からはじめてみませんか?

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