【護身グッズを徹底解説】突然の犯罪から身を守るための防犯護身グッズを知ろう

痴漢・暴漢対策

はてさて、何かと物騒な世の中です。

女性は特に不安ですよね。一人の時に不審な人につきまとわれたり、いきなり襲われた時などは誰かの助けを待っている余裕なんてありません。また空き巣や強盗と鉢合わせした時、通り魔などに遭遇した時など、男女問わず「生命存続の危険が発生」した時は即時的な防衛がもとめられます。

日本は世界的に見ても安全で治安が良いと言われていますが、それでも犯罪は後を絶ちません。
警察は犯罪抑止のためにパトロールなどを日々行ってくれてはいますが、いざ犯罪に巻き込まれた際に「110番」をしても、警察官が現場に到着するまではどうしても時間を要します。

犯罪に巻き込まれてしまった際に被害を最小限にできるよう、自己防衛力を高めることが重要です。
そのための道具として護身グッズを知り、安全かつ有効に使用できるよう一緒に学んでいきましょう。

そもそも護身グッズってなに?

護身グッズとは「主に個人が防犯目的で携帯所持する防犯用品」のことを指します。

日頃から格闘技や護身術を嗜んでいる方なら、素手で防衛することもできるかもしれません。しかし一般的な人、とりわけ女性が大男を相手に「力で勝つ」のは難しいですよね。

護身グッズはその名の通り、突然襲われた時に身を守るための道具です。

仕様用途の注意点

防犯護身グッズは相手を倒すことが目的ではなく
あくまでも「威嚇する」「逃げるまでの猶予を作るためのもの」と考えましょう

護身グッズと聞くと、ついつい「悪いヤツを倒すための武器」と思いがちです。
しかし防犯護身グッズの本来の目的は「相手から逃げて身を守る」ために使用します。

防犯グッズと護身グッズって何が違うの?

「護身グッズ」は「防犯グッズの中でも身を守るための道具を指す」と捉えて良いでしょう。

実は同じ商品でも、A店では防犯グッズとして売られていて、B店では護身グッズとして売られているなど、その線引きは曖昧です。一般的に「防犯グッズ」と呼ばれるものには「泥棒の侵入を防ぐためのもの」や「不審者を監視するもの」など、犯罪から身体や財産などを守るものがあります。
一方で護身グッズは、主に危害を加えようとしている相手から身を守るものとして、防犯グッズよりも用途が限定的です。
ですので「防犯グッズの中に護身グッズというカテゴリがある」と考えましょう。

護身グッズって違法じゃないの?

護身グッズと聞くと「危ないもの」と想像しがちですが、社会通念上で正当な理由が明確にあり、かつ適法な護身用具であれば問題はありません。また自宅や店舗などに備え置くことは完全に合法です。

安心安全に護身グッズを携帯できるように、護身グッズに関連性の高い法律や条例、注意点をわかりやすくまとめましたので、是非ご一読ください。

護身グッズってどんなものがあるの?

実際に護身グッズとして市販されている代表的なものをご紹介します。
またそれぞれに「メリット」と「デメリット」を記載していますが、あくまで主観的な解説となっていますので、使用する状況や使用者などによって異なってきます。また決して「メリットよりデメリットの方が多いから良くない」という訳ではありませんので、各自で正しく理解して判断しましょう。

相手を威嚇するタイプ

防犯ブザー
(引用:Amazon)

紐を引っぱる(引き抜く)と、大音量のブザーがけたたましく鳴り響くブザーです。
バッグに付けておいて紐を握っておくなど、引ったくりに遭った際にも効果を発揮します。
また防犯のみならず、災害時に救助を呼ぶ際などにも使用できます。
年齢問わず一つは持っておきたい護身グッズです。

メリット

  • 幼児から高齢者まで誰でも使用できる
  • 使用する上で危険がない
  • 他者から見える所につけることで犯罪抑止も期待できる
  • 災害時にも役に立つ

デメリット

  • 大音量で音が鳴るだけなので相手を直接抑止する効果は薄い
  • ブザーが聞こえても誰かが助けに来てくれるとは限らない
  • バッテリーが切れていたら音が鳴らない
タクティカルライト・フラッシュライト
(引用:Amazon)

非常に明るい光で照らすことができるライトです。一般的な懐中電灯よりも強い光を照射できます。
護身としての使い方は、暗闇に隠れている不審者を照らしたり、相手の顔を照らして目を眩まします。例えば夜間に車を運転していて、対向車にハイビームで照らされると目が眩みますよね。人間の目は暗闇に慣れると瞳孔が開いて、微かな光でも認識できるようになります。そこに大光量のライトで照らされると、さしずめ天空の城ラピュタでのムスカ大佐のように「目がぁぁ!目がぁぁぁっ!!」となるわけです。
また種類によっては光量を調節できたり、点灯と点滅を切り替えることができるものもあります。
小型軽量で手のひらサイズなのに頑丈、しかも車のハイビームと同等の光量で照らすことができるものもありますので、通勤通学や夜間外出が多い方には必須ともいえる護身グッズです。

メリット

  • 幼児から高齢者まで誰でも使用できる
  • 使用する上で危険がない
  • 遠距離からも相手に照射できる
  • 夜間の安全灯としても使用できる
  • 災害時にも役に立つ

デメリット

  • 昼間や明るい場所では効果が半減する
  • バッテリーが切れていたら光らない
防犯用カラーボール
(引用:Amazon)

コンビニのレジの後ろなどに置いてあるオレンジ色のボールを見かけたことがある方は多いのでは?
防犯用カラーボールは相手の足元や逃走する車などに向けて投げつけて使用します。当たった衝撃で防犯用カラーボールが割れることで中に入っている特殊塗料が噴出し、相手に付着することで相手を識別することに役立ちます。特殊塗料はなかなか落とすことができず、中には強烈な臭いを発するものもあります。相手に当てるように投げると思いがちですが、正しくは相手の足元の地面に向けて投げつけて使用します。

メリット

  • 犯罪抑止効果が期待できる
  • 使用する上で危険がない
  • 警察や学校などでの導入実績が多い
  • 逃走した相手を識別できる

デメリット

  • 日常的に携帯することは難しい
  • 相手を直接抑止する効果は薄い
  • 使用期限がある(約3年)
  • 屋内の場合は使用後の清掃が必須
  • ボールを投げるのが苦手な人には不向き

相手にダメージを与えるタイプ

催涙スプレー
(引用:Amazon)

唐辛子ベースの非常に刺激が強い液体を噴霧します。これを顔面に浴びた相手は、おおよそ1時間ほどは行動不能になります。また手や足などの皮膚に噴霧しても効果があります。この催涙スプレーをデモンストレーションで実際に受けた人の体験談によると、まさに想像を絶する激痛とのこと。しかしご安心ください、催涙スプレーによって後遺症は残らないように設計されています。ただし、相手に心臓疾患などがあると知っている場合は使用を控えた方が良いでしょう。ショックや痛みで心臓発作を誘発する恐れがあります。あくまでも「正当防衛」の範囲で使用し、自身の安全を優先してください。

メリット

  • 長時間に渡って相手の動きを封じられる
  • 催涙スプレーの噴射自体は相手に怪我や後遺症を残す心配がない
  • 小型で軽量なものもあり携帯性が良い

デメリット

  • そこそこ近距離でないと当たらない
  • 相手に奪われると逆に危険性が増す
  • 霧噴射タイプの場合、風向きや噴射角度などによっては自分にも影響する場合がある
  • 屋内で使用した際は長時間に渡って周囲にも影響が出る
  • 地方自治体によっては青少年育成条例に基づき未成年への販売・未成年の所持が禁止されている 

催涙スプレーの所持について、法律的な視点での見解を述べられている法律事務所さんの記事を併せてご紹介します。
弁護士法人 泉総合法律事務所 護身用スプレーを持っていて捕まった!所持する上での「正当な理由」

スタンガン

高電圧を発生させて相手に電気ショックを与えます。一般に護身グッズとして市販されているスタンガンは、相手を気絶させる程の威力は出ないように設計されています。しかし電撃によって相手の行動を抑制させるには十分な威力を発揮します。また空中放電(電気スパーク)させた際に、光とともにバチバチと音が鳴りますので、これだけでも相手を威嚇するには十分です。

相手に使用した際「もし相手が自分と触れている場合は自分も感電してしまうのでは?」と心配になりますが大丈夫です。電気は抵抗の少ないルートを流れる特性がありますので、使用者まで感電することはありません。ただし、雨などで濡れている場合は注意が必要です。またスタンガンがペースメーカー(心臓鼓動補助装置)へ与える影響はないと証明されていますが、相手に心臓疾患などがあると知っている場合は使用を控えた方が良いでしょう。ショックや痛みで心臓発作を誘発する恐れがあります。あくまでも「正当防衛」の範囲で使用し、自身の安全を優先してください。

メリット

  • 放電の音と光で相手を威圧できる
  • 相手の動きを封じられる
  • 小型で軽量なものもあり携帯性が良い

デメリット

  • 近距離での使用が前提である
  • 相手に奪われると逆に危険性が増す
  • バッテリーが切れていたら使えない
  • 地方自治体によっては青少年育成条例に基づき未成年への販売・未成年の所持が禁止されている 

ちなみにスタン (stun) とは、英語で気絶させる、呆然とさせるなどの意味で、これに銃を意味する gun を付けてスタンガンと呼ばれています。
また海外では放電させるための電極を銃弾のように飛ばして相手を感電させる「テーザーガン」が実用化されており、凶悪犯の鎮圧などもに使用されています。

特殊警棒
(引用:Amazon)

折りたたみ式で金属製のものが多く、非常時には伸ばして使用します。日本では警察官や警備員の方々が携帯しています。主に威嚇のために使用しますが、もし相手が襲ってきた場合は、特殊警棒で突いたり叩いたりして相手に打撃を加えます。また相手を押し付ける際などにも使用できます。

メリット

  • 相手に威圧感を与えて防衛することができる
  • 誤作動などの危険性がない
  • 伸縮タイプは携帯性が良い
  • ライトなどオプション付きもある

デメリット

  • 近距離での使用が前提である
  • 相手に奪われると逆に危険性が増す
  • 地方自治体によっては青少年育成条例に基づき未成年への販売・未成年の所持が禁止されている 
クボタン・スティンガー・タクティカルペン
(引用:Amazon) ※写真はタクティカルペン

クボタンやスティンガーは非常に小型で、キーホルダーとしても携帯できる護身グッズです。またタクティカルペンは、平時では筆記具として使用できるため、実用性もあります。主に金属製のため、耐衝撃性に優れています。
使用方法ですが、基本的には護身術と合わせて使うものだと思ってください。

メリット

  • 携帯性が非常に良い
  • 誤作動などの危険性がない
  • ペン型など実用性を有するものもある

デメリット

  • まず護身術を会得することが前提
  • 近距離での使用が前提である
  • 相手に奪われると逆に危険性が増す
  • 地方自治体によっては青少年育成条例に基づき未成年への販売・未成年の所持が禁止されている 

クボタンは在米日本人で空手家の窪田孝行さんが考案した小型護身用具です。クボタンを使用した護身術の術技体系のことをクボタン護身術とよび、相手の急所やツボを突くための道具としてクボタンが開発されました。もともとは身近にあるボールペンなどを用いることを想定した護身術です。

相手からの攻撃を防ぐ・緩和するタイプ

防刃チョッキ・防刃ベスト・防刃防護衣
(引用:Amazon)

相手が刃物で切りつけてきた際に、刃物から身体を守るためのものです。防弾チョッキと異なり銃弾を防ぐことはできません。いつも警察官が身につけているのは防弾チョッキだと思われがちですが、実は防刃チョッキです。

いきなり刃物で切りつけられた際などに受ける傷を和らげる効果は期待できますが、刃物や鋭利な棒などで突かれた場合などは、防刃チョッキの厚みや性能によっては防ぐことができません。

メリット

  • 通り魔などによる刃物での攻撃を防げる
  • 軽量で薄く日頃から着用できるものもある
  • 誤作動などの危険性がない

デメリット

  • 刃物での攻撃を完全に防ぐことは困難
  • ベスト型は腕や足などを防御できない
さすまた(刺又)
(引用:Amazon)

相手と一定の距離を保ちながら、相手の動きを封じるために使用します。U字型の金属部分を相手に向けて威嚇し、迫ってくる相手の胴や首、足などに押し付けて動きを牽制します。
学校や商業施設、店舗などで侵入者から守る防犯安全器具として、広く普及しています。警察庁の資料によると、都内の公立学校の80%に配備されているそうです。
使用状況は選びませんが、特に廊下など狭い場所では高い効果を発揮します。
ただし長物のため、使用するにはある程度の体力と訓練が必要とされます。また複数人で相手を追い詰めるなど、一対一での使用よりも複数の人と協力し合って使用することが勧められています。

メリット

  • 相手と一定の間合いをとることができる
  • 警察や学校などでの導入実績が多い
  • 誤作動などの危険性がない

デメリット

  • 日常的に携帯することはできない
  • 相手に奪われると逆に危険性が増す
  • 効果的な使用にはある程度の訓練が必要
防犯盾(ぼうはんたて)
(引用:Amazon)

その名の通り、盾です。しかし侮ることなかれ。さまざまな人が来店するお店や、高額な商品を取り扱っているお店、特に児童福祉施設や養護老人ホームなどでは、さすまたとセットで常備していただきたい護身グッズです。

「防御は最大の攻撃」とも言われますが、まさに防御に徹するための必需品です。
相手が刃物を持っている場合や、投石など何かしらを投げつけてくる場合などに高い効果を発揮します。また最近では素材にポリカーボネートを使用した透明なものが主流で、相手の動きを見ながらの使用が可能です。また相手を安全に押さえつける際にも使用できます。
また面積の広い防犯盾は、自分も含めて他者を守るにも役立ちます。

メリット

  • 防御力が高い
  • 警察や学校などでの導入実績が多い
  • 誤作動などの危険性がない

デメリット

  • 日常的に携帯することはできない
  • ある程度の保管場所が必要

以前、とある飲食店でこの防犯盾を見かけたことがあります。厨房近くに置いてあった防犯盾には、日替わりメニューのお知らせが貼ってありました。平時は看板として使用し、有事の際は防犯盾として使用するというナイスアイデアですね。

ネットランチャー®
(引用:Amazon)

パーティーなどでよく使うクラッカーのようにネットが発射され、相手に絡みつくことで動きを封じます。相手の武器などが届かない距離(射程距離は2〜3m)から発射することで、安全に相手を捕縛することが可能です。また発射時には90db(デシベル、音の大きさ)でアラームが鳴り、周囲に異常を伝えることができます。

相手の行動を封じ込めることができ、なおかつ催涙スプレーのように周囲や自分に大きな影響を与えることなく使用できるため、病院や幼稚園などの施設での使用に最適です。

メリット

  • 安全な距離から相手を捕縛できる
  • 警察や学校などでの導入実績が多い

デメリット

  • 日常的に携帯することはできない
  • 接近距離では使用できない
  • 使用期限がある(4年)
  • 導入費用が高額

(※ネットランチャーは日本工機株式会社の商標登録です)

通報するタイプ

ココセコム

セコムが提供する「持ち歩けるセキュリティ専用端末」ココセコム。

ホームセキュリティのセコムが提供する「持ち歩けるセキュリティ専用端末」です。
ボタンを押すことでセコムの管理センターへ通報でき、オペレーターや緊急対処員がかけつけてくれます。また一定期間に応答が無いと自動的にセコムへ通報が行われる「みつめてコール」や、安否確認ができる「しらせてコール」などの機能も充実しています。

GPSによって端末を持っている人の場所を特定できるため、子供やご年配の方などに携帯してもらうと安心ですね。また人気のない場所で不審者につきまとわれている時なども安心です。

メリット

  • 緊急対処員がかけつけてくれる
  • GPSで持ち主の位置を特定できる
  • 防犯に向けた機能もある

デメリット

  • 緊急対処員が来るまでに時間がかかる
  • バッテリーが切れていたら使えない
  • 月額費用が発生する

護身グッズを持っているだけで安心してはダメです

護身グッズの中には「手元から離れたら自動的に鳴らす防犯ブザー」のような便利なものもありますが、大抵の護身グッズは「あっ!持ち主が危ない!ヤァーッ!」と勝手に助けてはくれません。

なぜなら護身グッズを使うのは、あなた自身だからです。

なので、日頃から防犯グッズを使うシチュエーションになった場合を想定して、防犯訓練を行いましょう。知識を持って慣れていなければ、咄嗟の時に行動に移すことができません。地震や火事に備えた防災訓練と同じように、護身グッズの使用を想定した防犯訓練も定期的に行い、心構えを持ちましょう。

くれぐれも防犯訓練の際に、相手に催涙スプレーを噴射したりスタンガンでビリビリしてはダメですよ!あくまでの訓練ですので、無理せず怪我しないように行いましょう。

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