防災対策が出来ない・長続きしない人のための「無理をしない」防災対策の心構え

事故・災害対策

この記事は、是非ともユル〜い感じで読んでくださいね。
なんせ「無理をしない防災対策の心構え」なので、気を張らなくても良いんです。
「なんて私は持続力がないんだろう」なんて落ち込まなくても良いし「わーっもう!ワケわかんない!」なんてパニックにもならなくて良いし「頑張ってもどうせ無駄だし」なんて悲観しなくても良いんです。

そんなね、肩張って「防災対策をがんばるぞ!」って思っても、なかなか出来ないこと続かないことも多いですよね。だって防災対策って、完璧な答えが無いから。

防災対策の大半は、予期せぬ災害に対して「おそらくこれで大丈夫であろう」というレベルなのです。

たとえ家具の地震対策を行っても、想定以上の揺れだった場合は倒れるかもしれませんし、家具そのものが壊れて崩れるかもしれません。床上浸水を想定していたら、家そのものが流されてしまうかもしれません。

災害は「予想外」「想定外」の連続です。
実は防災対策は「完璧」ではなくて「無いよりはマシ」の積み重ねなのです。

なのでマイペースに、自分に合った無理のない防災対策を一緒に考えていきましょう。

防災対策をする上で心がけたいのは「無理をしない」ということ

防災対策を行う上で重要なことの一つは「無理をしない」ことです。
災害の発生は今日かもしれません、明日かもしれません、今月中かもしれません。
しかし、いつ発生するかわからない災害だからこそ、無理せず準備を整えることが大切です。

一気に防災用具を揃えたって、すぐに全てを理解して使いこなすのは誰でも難しいのです。災害対策は日頃の積み重ね、ゆっくりでも良いので着実に実行することが重要です。

無理な出費はしなくて良い

防災対策には結構お金がかかります。

なんせ防災の基本となる防災リュックを作ろうとしても、さまざまな物品を揃えなければいけませんよね。本当に役に立つ防災リュックを作ろうとすると軽く2万円以上は必要となる場合もありますし、基本的な物品が揃えられている防災セットを購入するだけでも1万円ちょっとは必要になります。

ちなみに防災リュックってなに?どんなものを揃えなきゃいけないの?と疑問に思った方は、是非ともこの記事を読んでみてください。

それに保存水や備蓄食を揃えるにしても、結構な金額がかかってしまいます。
家具の転倒防止用具にしても、自宅の全てをカバーしようとすると相当な出費になります。

あれもこれも・・・と考えていると、あっという間に必要経費は1ヶ月分の給料を超えてしまいます。

「そんなにお金に余裕ないし・・・」と思うと、災害対策にお金をかけることが億劫になります。おそらく防災対策を一気に進めたいと思う人は、きっと真面目で几帳面で心配性な方なのだと思います。

一気に全てを揃えようとせず、まずは「1ヶ月に最低1個は防災用品を揃える」くらいのペースで進めてみましょう。
出費のキツい月は、100円ショップで揃うものでも良いでしょう。
ちょっと臨時収入があった時は、災害時でも使える日用品を揃えると良いかもしれませんね。

「わーい!今月は○○を備蓄したぞー!これで我が家の防災レベルが1つ上がったぞー!」と思うくらいで丁度良いのです。
もし例え明日、大きな災害が発生したとしても、進めた一歩は確実に役に立つはずです。

防災用品は一気に揃えなくても良いので、ゆっくり着実に進めていきましょう。
災害対策用としてではなく「日常でも普段使いできて災害時にも役に立つ」ものから揃えるのもコツです。

無理な計画はしなくて良い

無計画に進めた災害対策は、破綻してしまいます。
同じく無理な計画も、せっかく進めた災害対策を破綻させてしまいます。

たとえば「1週間以内に防災対策を整える!」と自分にノルマを課した場合、やる気も相待って最初は凄まじいスピードで進むでしょう。
もしそれで達成できた場合は、それは自身のペースに合っていたということで、達成おめでとうございます。

しかし途中で「あっ!防災リュック用に買ったリュックサックに防災用品が入りきらない!」「防災リュックが完成しないと避難経路を歩く避難訓練ができない!」「あれ!?同じものを2つ購入してる!」「気付いたらもう残り2日しかないじゃん!間に合わない!」なんてことになったり「あぁ・・・思ったよりも揃える物もやる事も多いなぁ」と意気消沈してしまう場合もあります。

災害対策に「絶対」はありません。すべての災害に万全に対応することは、非常に難しいのです。

もちろん、あらゆる災害に対応できる防災対策は理想的ですが、それを実現するためには非常に多くの時間やコストが必要です。

一つクリアしたら次の課題、それもクリアできたら次の課題、といった具合に、一気に進めようとせず自分に合ったペースで災害対策を進める事も立派な計画です。

もし計画の途中で挫折してしまっても、そこでヘコまなくても大丈夫。災害対策は受験勉強でもテストでもありません。自分自身に合った計画を立て直せば良いだけです。

災害対策に「絶対」や「完璧」は存在しないので、それらを目指すべきゴールにしなくても良いのです。「無いよりはマシ」をゴールにすると気も楽になります。

無理な期待はしなくて良い

「コレさえあれば安心!」「コレさえあれば助かる!」という期待は、返せば「コレがなければダメ!」「コレがなければ死ぬかもしれない!」という自己洗脳に陥ってしまいます。

先にも述べましたが、災害対策に「絶対」はありません。すべての災害に万全に対応することは、非常に難しいのです。

実際に災害が発生した時が、これまで行ってきた災害対策の真価が問われる時です。しかし災害対策の一番の目的は「死なないこと、生き延びること」であって「災害対策を実践すること」ではありません。

災害対策を進めていくと、頑張って整えた防災対策を実践したくなって「早く災害が発生しないかなぁ」なんて期待してしまう場合もありますが、これぞ本末転倒ですよね。

また完璧だと思っていた災害対策も、いざ本番となった時に「使えねぇーー」となってしまう可能性もありますし、不十分だと思っていた災害対策でも「何とか生き延びられた!」となる可能性だってあります。

災害対策は、災害が発生した時にいかに「生存率」を引き上げるかというのが重要です。

なので、個人で行う災害対策とは「個人によって異なる」のは当然です。

「これが正しい!これは皆々がやってる!だから大丈夫だ!」というバイアスをかけずに、自分にあった災害対策を考えて実行することが大切です。

期待は時として油断につながります。
一番の目的は「死なないこと、生き延びること」であって「災害対策を実践すること」ではないので、対策方法や防災用品に対して過度な期待はしないようにしましょう。

けっこう難しいローリングストック

防災対策の一つに「ローリングストック」というものがあります。

例えば、冷蔵庫に1週間分の食料を貯めておいて、消費期限の近いものから消費し、新しいものを追加していく。つまり、冷蔵庫の中には常に1週間分の食料が備蓄されている状態にすることです。

また保存食も古いものから消費して、新しいものと入れ替えていく。という「常に一定期間分の食材などが備蓄されている状態を保つ」という、ローリングなストック方法です。まんまですね。

しかし、いざ実践してみると、これって案外難しいんです。

ローリングストックは人を選ぶ?

たとえば一人暮らしや夫婦共働きの家族の場合、どうしても仕事の付き合いで外食したり、仕事が遅くなってコンビニ弁当で済ませてしまったり、あーもう疲れた今日は料理する気にならない・・・なんてことはよくありますよね。

1週間分の冷蔵庫の備蓄が消費できず、しかも卵や生野菜といった消費期限が早めのものが余ってしまい、結局は使わず廃棄してしまう・・・という、もったいないパターンになることも多々あります。

また料理が得意な方なら「この食材とこの食材を組み合わせて・・・」と、消費期限の近い食材を上手に消費することができるかもしれませんが、あまり得意ではない場合はストックした食材のやりくりだけで疲れてしまいます。私もその一人です。

自分に合ったローリングストックを考えてみる

というわけで、冷蔵庫によるローリングストックを断念した私ですが、食材のローリングストックは実践しています。

まずはカップラーメンの箱買いから始めました。

カップラーメンは消費期限も長いですし、防災備蓄の初歩みたいな物品です。
しかもカップラーメンって、時間をかければ水からでも作れるんですよ。災害時でも水があれば食べられる。

というわけで、次に保存水を常備しました。

災害時に備蓄したカップラーメンを食べたいがために保存水を常備するようになり、家具の隙間とか戸棚の中などに、2Lのペットボトル10本分を保存しています。

実はマンションの定期検査で半日ほど断水した時に、1本使いました。
「うぉ!断水してても暖かいコーヒーが飲める!幸せ!」と、備蓄の有り難みを初めて感じた瞬間でした。1回お手洗いにも行きましたが、貯水タンクに1回分は水が溜まっていますので事なきを得ました。

ちなみに災害備蓄しているカップラーメンの箱買いですが、仕事で夜遅くに帰ってきて「眠いけどお腹すいたぁ」というときに、チビチビと消費しています。
2箱買って(ラーメンと焼きそば)、半分くらい消費したら新しいものを買い足してます。

「カップラーメンばかりじゃ健康に悪いよね」と思うようになって、今ではレトルトカレーやアルファ米、サプリメントなどもストックしています。気付いたら、備蓄食のローリングストックができている状態になっていました。

とりあえず、これで夫婦で3日は食いつなげる量のストックです。

インスタント食品の備蓄は日常生活でもオススメ。そこから徐々にローリングストックに慣れていきましょう。

「飽き」や「慣れ」は必ず訪れるものです

防災対策をしようと思った時は「よーし!やるぞー!」と意気込んでも、時間の経過とともに熱も冷めて、気づいたら億劫になってしまった。

あります、あります、防災アルアルです。

かくいう私も、防災対策を始めてから数週間で飽きてきて、1ヶ月も経った頃には「あれ?何のために防災対策してたんだっけ」と思い、かくしてマイブームの終了のように興味もなくなっていく経験をしたことがあります。

その時、ふとYoutubeを観ていたときに、あの東日本大震災の映像が流れました。
地震発生から津波の到来、泣き叫ぶ被災者の方々の悲痛な叫び声、そして家族を亡くした方々の言葉・・・その時に「いつ来るかわからない・・・じゃなくて、いつ来ても大丈夫なようにしなきゃ」と、防災対策に目覚めた時の気持ちがフッと蘇りました。

それからというもの、防災対策に対する熱も燃え上が・・・ることもなく、また時間の経過とともに、徐々に熱も冷めていき、結局は「これ(防災対策)って意味あるのかな」なんて思うようになりました。

その度に、家族や親しい知人の顔、もし自分が災害で死んでしまったら・・・あぁ辛い思いや痛い思いはしたくないなぁあという気持ちなど、まさに「初心に戻る」ことを意識してきました。

すると、気付いた頃には防災用品も一通り揃っていて、もしもの時も瞬時に「あそこにアレがある!」「この場合はこうする!」といったシミュレーションもできるようになっていて、人並みな防災対策ができている状態になっていました。

ずっと全力疾走で登山できませんが、ゆっくり徒歩ペースでも一歩一歩進んでいけば、いつの日か頂上付近まで来ていた、といった感じです。

もしいま貴方が防災対策を始めたけれど飽きてきた、災害に対する恐怖心が薄れてきた、と思っているならば、それはもしかしたら「ちょっと休憩」のタイミングなのかもしれません。

また歩き出せば良いのです。焦らず、焦らず、次の1歩を踏み出せば、また歩き出せます。

飽き」や「慣れ」は誰しもが1度は経験しますが、次の瞬間にもう1歩を踏み出せるかで結果が変わってきます。大丈夫、防災対策に飽きたり慣れたりすることはよくあることです。

あなたの行動は決して無駄ではない

いつ来るかわからない災害のために、たくさんの時間とお金を使って、これって自己満足?

なんて思ってしまう時もありますよね。

家族からも「そんなことにお金を使うくらいなら、家族で食事に行った方がマシ」なんて言われたり、「大丈夫だって、災害なんて滅多に来ないし」とか「あー、その地震ってもう何十年前から来る来るって言われてるよね」なんて言われて、心も折れかけてしまうなんてこともありますよね。

防災対策は童話「アリとキリギリス」と同じです。

ご存知ですか?アリとキリギリスのお話。
冬に向けてセッセと備蓄に励んでいるアリを片目に「こんなに良い天気なのだから遊ぼうよ」と何もしないキリギリス。いざ冬が到来した時、準備を整えていたアリは暖かい部屋で寛ぎ、遊んでいたキリギリスは凍え苦しむというお話です。

まさに防災対策は「アリとキリギリスのアリ的行動」なのです。

いつ来るかわからない災害に備えて、平時の今から対策や準備を進める。
それは無意識に心の中で渦巻いている「心配」を取り除くことにも繋がりますので、日常の生活にも良い影響となるでしょう。

安心してください。最後に笑うのは、防災対策をしっかり行っていた貴方です。

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